別れ
火曜日, 4月 5th, 2011私も彼も抱き合ったまま、離れることができませんでした。
不思議なことにいくら抱きしめても、もう彼と一緒になる感覚は得られませんでした。もう私たちは別々の方向に向かって歩き出していたのかもしれません。
人を好きになることは簡単なようで難しいから、自分が自分から「好き」と思えたこの気持ちを失いたくない、ということで出会い系で必死だった。
たぶん、彼はそんな私のことを分かっていたのかもしれません。そして私は彼に知らず知らずのところで押しつぶされそうになっていたのかも知れないな、と気付きました。
「ぼくたち、これから友達だよ。また会えるよね?」
そう彼が私に聞きました。しかし私は「わからない。もう会えないかもしれない」と答えました。
それがそのときの私の素直な気持ちだったからです。「好き」という気持ちがこの瞬間にはじけてなくなってしまったわけじゃないし、次いつ会えるか分からないけど、そのときまでに気持ちの整理がついていなければ会うことはできない、と。
めるともは悲しそうな顔で私を見つめていました。でも、私はこのままこうして同じ場所で立ち止まっているのが苦痛に思えてきました。
もうバスの時間も迫っていたし、彼の腕を解き、私は「じゃあね。いつかまたね。」と冷たくその場を立ち去ったのです。もう振り向きませんでした。半ば自分の好意を受け入れてもらえなかった苛立ちもありましたが、悲しくて悲しくて自分の目が熱くなるのを感じでいました。彼から見えない場所まできたところで、私は立ち止まって泣きました。次から次から涙が出て止まりませんでした。安いテレビドラマの中にいるような自分が恥ずかしくて、ひとづまも隠れるように泣いていました。